イタリアワイン:
ワインを最大限に味わうために気をつける9つのこと
ワインをできる限りおいしく飲む方法を紹介しています。 |
ワインのポテンシャルを引き出しましょう。
ワインを飲むのがもっともっと楽しくなります。
飲む前 の準備 |
飲む際 の注意 |
ワイン 保管方法 |
ワインをおいしく飲むためには難しい知識が必要?
ワインをおいしく楽しむ、と聞くと難しそうと身構える人もいるかもしれませんが、最低限のことさえ押さえておけば問題ありません。
飲む前の準備、飲む際の注意、残った場合の保存。これだけ知っておけば十分です。
ワインを飲む前に知っておきたい4つのこと
1: 飲む前はスパイシーなものや過度に甘いものは控える
飲む数時間前から、辛いものや香辛料の強いものは控えたほうがいいです。理由としては、舌が麻痺して味がわからなくなるためです。
また、飲む少なくとも1時間前には、甘味の強いチョコレートや果物は控えたほうがいいです。ワインの甘味と香りがまったくわからなくなり、特に赤ワインはただの渋い液体になります。どんなグラスを使っても渋みが消えなくなります。
また、鼻が匂いを感じ取りづらくなっている時には、コーヒー豆の香りを嗅ぐと嗅覚がリセットされると言われています。香水屋さんなどで、いくつかの香りを嗅いで麻痺してきた嗅覚を元に戻すために使われたりしている例もあるんです。
2: 飲むワインと合わせる食事との相性を考える
料理と合わせて飲む場合、白ワインやスパークリングワインは何にでも合わせられますが、魚や鶏肉などと合わせることが多いです。赤ワインと魚は合わないことがほとんどなので避けたほうがよいでしょう。赤ワインは肉料理全般に合います。
過度に辛いものやスパイシーなものは、ワインの味がわからなくなるので、合わせるのはやや難しいように思います。甘口のワイン(デザートワインなど)を除いて、甘いものとワインを合わせてもワインの甘味がなくなってしまうので、おいしく飲めないことが多いです。
3: 抜栓するときにコルクを割らないように注意する
王冠やスクリューキャップの場合、特に注意は不要でしょう。コルクのワインの場合には、あけるときにコルクを割らないように気を付けないといけません。
コルクの破片がワインの中に落ちても、そもそもワインに触れている素材ですので、味自体は変わりません。ですが、グラスに注いだワインの見栄えはともかく、舌触りがとても悪くなります。
それでもどうしてもコルクが落ちてしまった場合には、ワインを注ぐときに茶漉しを使って注げば大丈夫ですが、コルクを開ける時から注意したいですね。
コルクのワインを開ける場合、どうしてもソムリエナイフのようなものを想像しますが、ソムリエナイフはコツがいります。
スクリュープルという道具だと、ほとんど失敗がないです。スクリュープルにも、ソムリエナイフのようにキャップシールを切る機能がついているものもあるので、そういうものを選ぶといいです。
ソムリエナイフは少し力が必要ですが、スクリュープルはそこまで力が必要ないので、女性でも使いやすいのも特徴です。
4: ワインごとに適切な温度にして飲む
温度が適切じゃないとワインはポテンシャルを発揮できません。まず、温度を上げ下げすることによる味への影響の基本を紹介します。
温度を下げると、味の輪郭がはっきりしてきて味のキレがよくなります。一方で、香りの広がりは少なくなり、酸味は多く感じるという点もあります。甘味を感じにくくなります。
温度をあげると、味がまろやかになってきて香りが広がり、味が滑らかになります。酸味も感じにくくなります。一方で、味の輪郭は少しぼんやりしてきます。甘味を感じやすくなります。
以上のことから、よほど特殊な場合を除いて、
- スパークリングワインは冷やして飲む:5~10度くらい
- 白ワインはやや冷たくして飲む:7~14度位くらい
- 赤ワインは少し高い温度:12~18度くらい
で飲むのが、おいしい温度とされています。もちろん例外もあります。例として、小さな樽で熟成された白ワインは、香りを楽しむために少し高い温度で飲むのがいいこともあります。しかし、基本は上で書いたとおりです。
ワインセラーを使用する場合は温度設定ができるのでいいですが、冷蔵庫で保存している場合です。
野菜室は3~7度位に設定されていることが多いようです。スパークリングワインは大体このくらいで飲みごろですが、白ワインや赤ワインは野菜室から出してから、しばらく室温で置いておいて温度があがるのを待つといいです。
問題は室温になっていたワインを冷やす場合ですが、ワインクーラーという道具があると便利です。ない場合でも、バケツのようなもので代用できます。
氷と水を入れて、そこにワインを入れて冷やすのですが、例えば20度のワインを氷水の中に入れると、10分程度で10度近くまでは冷えてくれます。案外早く冷えてくれるので、冷やし過ぎには注意してください。「1分に約1度さがる」を目安にしてみてください。
ワインクーラーがなくても、代わりになるようなものであればバケツでも洗面器でもなんでも問題ありません。
ワインを飲む際に知っておきたい4つのこと
1: ワインの正しい注ぎ方とこぼさないコツ
注ぎ方もちょっとだけ気をつけてみたいことがあります。基本的にワインをワイングラスに注ぐ時にはできるだけゆっくり注いだほうがいいです。
白ワインや赤ワインは、注いでいる間にも多く空気に触れさせて味が開くことがあるためです。スパークリングワインについては、ゆっくり注がないと炭酸が失われてしまうこともありますし、勢いで吹きこぼれてしまうこともあるので、より注意してください。
ゆっくり注いだ方がエレガントに見えますし、味に与える影響も有利です。なお、ワインボトルからグラスに注ぐ時にたれてしまうのを防ぐには、注ぎ終わってワインボトルをグラスから離す際にひねるようにすると、ワインボトルの口についた滴が切れて、たれにくくなります。
また、ソムリエの方が使用する道具にドロップストップというものがあり、ワインボトルの先にまるめていれるだけで、おどろくほど液だれしなくなります。
2: ワイングラスに注ぐ量の大体の目安
ワイングラスには最大でも1/3くらいにしておきましょう。それ以上注ぐと、飲み終わる前に温度が変わってしまいます。
例外として、シャンパンやスパークリングワインをフルートグラスに注ぐ場合には半分程度を目安に注ぐことが多いです。
3: 赤ワインの香りを最大に楽しむためにできれば行いたいこと
この項目は赤ワインに対して行うことです。いろいろな香りを合わせて複雑味を出しているようなワインも多い中、しっかりと香りを感じるために、できればやりたいことがあります。デキャンティングです。
詳しい説明はこちらの記事を参照して頂ければと思いますが、特に開けたばかりのワインは、空気に触れさせると味わいが増すことがあります。
やり方は簡単で、ガラスでできた花瓶のような容器(デキャンタとかカラフェとか呼ばれます)に一度ワインを移すだけです。大きめのガラスのコップでも大丈夫です。
プラスチックの容器だと、ワインにプラスチックの匂いがついてしまうこともあるようなので、ガラスの容器が推奨されます。
さらにいうと、デキャンタにワインを移す前に、ほんの少しだけワインを入れて、中のガラスの全体がワインで湿るようにします。そのワインは捨ててください。
この方法をワインで「リンスする」といいます。高級レストランだと、ワイングラスにも行うことがあります。どんなに洗浄を行ったガラスであっても100%無味無臭にはならないので、それをワインで湿らせて洗って落とすわけです。
なお、もっと簡単にデキャンタージュを行う方法で「エアレーター」という商品があります。
ワインボトルの先に取り付けて注ぐだけで空気に触れて美味しいワインにしてくれる商品なのです。こちらも注ぎ始め少量は、エアレーターの内部をリンスするのに使用して捨てたほうがいいです。
4: ワイングラスをぐるぐるまわす「スワリング」をする理由と正しいやり方
レストランやバー、またドラマなどでグラスをくるくるまわしている場面を見かけると思いますが、あれは理由がありますし、必要ないワインがあります。
ここまで読んで頂くと、ワインがおいしくなるためには空気に触れさせるといいことは理解して頂けたと思います。スワリングはワイングラス内でさらに空気に触れさせるために行います。
温度が低いワインはそもそも香りを感じにくいので、スワリングの効果はそこまでありません。従って、低い温度で提供されたワイン(主にシャンパンやスパークリングワイン、白ワインなど)をスワリングするのはあまり意味がないです。
また、小さいグラスで提供されているワインをスワリングしても、グラスを回してワインが空気に触れられる量はたかがしれているので、意味がないです。
スワリングが意味を持つのは、大きなグラスで提供されていて、冷たくないワイン、つまり主には赤ワインです。
また、グラスを回す時には、右手で回すなら反時計回り、左手で回すなら時計回りが、それぞれ正しい方法とされています。仮に飛び散っても自分にかかるだけで他人に迷惑をかけない、テーブルマナーの1つでもあります。
飲み終わったワインを保管する方法
スクリューキャップのワインの場合、もともとの栓をすればいいです。問題は王冠とコルクのワインの保存です。
こちらの記事で書いているような道具がない場合には、王冠のワインは何も付けずそのまま、コルクがついていたワインはコルクをつけたあとで、上からラップで覆って、そこに輪ゴムで補強してください。
なお、コルクは押し込み過ぎると次に飲む時に外れなくなるので、半分位でいいと思います。
できればワインセラーで保管したいですが、ない場合には野菜室に立てて保存してもいいです。